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久々の修理記事です。
ここのところもっぱら営業日案内だけを出すという体たらくで、修理記事を求めてきた方には期待外れのブログとなってしまいました。
修理ネタは存分にあるのですが、時間が・・・

今回はだいぶ前に修理をしたCanon EFです。

1973年(昭和48年)発売。
_DSC1586.jpg
キャッチフレーズは -- 光を生けどる本格的AE一眼「太陽と影」Canon EF --

もう30年近く前の話ですが、親友が入手したのを見せてもらったのを思い出しました。
その頃私はPENTAX SVを使っていましたので、EFは最先端の技術で作られた未来的なカメラに見えました。
Canon EF修理前
このカメラはキャノンのFシリーズの中では異色の存在で、シャッターは半電子化された社外製のコパルスクエア(メタル、縦走り)が搭載されています。 またFシリーズの中では唯一オート露出を備えています。(シャッタースピード優先)

当時未来的に感じたCanon FEですが、技術的には過渡期の要素が多く含まれています。
一見電子化されたカメラに見えますが、シャッターが電気の力を借りて秒時管理をするのは1秒以上の超スローシャッターのみで、1/2秒から高速までの常用域は機械シャッター動作です。
露出計は受光素子に応答速度が速いSPCを使う新しい回路になっていますが、AE機構はオーソドックスな針押さえ式オート。
他にはファインダー内の表示や、外部のLEDが使われています。

何だかやりきっていない感じですが、当時ニコンのNikomatやコニカはメタル縦走りシャッターでしたし、旭光学のPENTAX ESは布幕横走りですが電子化を実現していましたので、キャノンからもこういったカメラを出さざるを得なかったのかもしれません。
いずれにせよキャノンなりに未来を先取りしたカメラであったことに違い有りません。

さて、今回お預かりしたカメラですが、シャッター不調、露出計表示不安定等が見られます。
電子部分の故障はお手上げなのですが、機械的な部分、接点整備などでベストを尽くします。

長年の汚れが蓄積しています。
Canon EF 巻き上げレバー
この巻き上げレバーと同軸のシャッターダイヤルはこの後のAシリーズに引き継がれました。

上カバーを取ると中は結構綺麗です。
R0013875.jpg
写真はプリズムの左側ですが、露出計スイッチにあまり見かけない物が使われています。

さくっと分解して各部を整備します。
R003908.jpg
順番に配線と部品を外して前板を取るとシャッターユニットがあらわになります。
シャッターユニットの左側上部にあるのがスローシャッター用のソレノイドです。
シャッターダイヤルとのリンクは紐で行っています。

左肩のフィルム感度設定ダイヤルの下は右肩のシャッタースピードダイヤルと糸で繋がっていて、フィルム感度、シャッタースピードの設定と相まってメーターの回転角を決定します。
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ミラーボックスの横には針押さえ式のAE機構が付いています。
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シャッタースピード優先オートの場合、シャッターボタンを押した後ミラーが跳ね上がる間に露出計の針を押さえて固定し、その針の位置に従って、レンズの絞りをしぼり込まなければなりません。
R0013897.jpg
大抵の一眼レフはミラーが上がるとシャッター幕が走り出しますので、ミラーボックスに簡単なガバナ機構を設けて、ミラーアップ時間を稼いでAE機構動作に余裕を持たせています。

この時代の電子カメラはスイッチ接点等の接触不良が不具合の原因である場合が多いようです。
各部の清掃、給油・グリスアップを行い、接点の清掃、低速ソレノイドの脱脂を行った結果全ての不具合の症状はなくなりました。

Aシリーズへの架け橋となったCanon EFですが、縦走りメタルシャッターはAシリーズでは採用されませんでした。
_DSC1578.jpg
格好いいですね。
青春時代に触れたカメラに再会すると無性に欲しくなります。

このカメラまだまだ使えますよ。

Canon EF
製造:キャノン
発売:1973年(昭和48年)11月
形式:35mmフォーカルプレーンシャッター式一眼レフレックスカメラ
マウント:FDマウント
シャッター:コパルスクエア金属幕縦走行フォーカルプレーン
      1/1000〜30秒、B、X(X接点の同調秒時は1/125秒)
(1/1000~1/2秒およびBは機械制御式、1~30秒を電子制御式)
ファインダー:ペンタ固定アイレベル式、倍率0.82倍、視野率=上下92%、左右93%
露出計: SPC素子使用、中央部重点平均測光
      TTL開放測光シャッタースピード優先式AE
      TTL絞り込み定点合致式マニュアル測光
      測光連動範囲はEV-2~18(ISO 100:F1.4)
      フィルム感度使用域はISO 12~3200
発売時価格:89,500円(FD50mm F1.4SSC付き)

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2014.11.20 / Top↑
今回お預かりしたのはZEISS IKON のSuper Six 530/16です。
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中判6×6の蛇腹カメラです。

レンジファインダーはドレーカイル式の正確な物を搭載しています。
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シャッターは定番コンパーラピッド。
R0013646.jpg
最高速は1/400秒セルフタイマー付き

・・と、ここまで書きましたが、今回はシャッターボタンが押せない事があるとのことで、その部分のみの限定修理を行います。
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このカメラはオートマット機能があるため、フィルムカウンタの位置によりシャッターボタンの動きを抑制しています。
恐らくその部分の動きが悪くなりシャッターボタンに引っかかっているのだと推測できます。

R0013805.jpg
カウンター下のメカを分解整備して今回の修理は完了です。

お預かりしたときに左肩の貼り革がなかったので、ビニールレザーの貼り革でで体裁を整えました。
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格好いいですね。

このカメラまだまだ使えますよ。

ZEISS IKON Super Six 530/16

メーカー:ZEISS IKON(Dresden) 1935年
型式:中判 レンズシャッター式レンジファインダーカメラ
フィルム:120サイズ 6×6
シャッター:COMPUR-RAPID T,B,1, 1/2, 1/5, 1/10, 1/25, 1/50, 1/100, 1/200, 1/400
レンズ:Tessar 8 cm F2.8

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2012.11.29 / Top↑
久々のカメラ修理記事です。

修理記事に入る前に
来る12月3日(月)から6日(木)まで横浜カメラサービスは連休させていただきます。
えーと、ゴールデンウィークとか、お盆休みの代休を今頃。

今回の修理はご存知Canon F-1です。

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これと言って欠陥のない良くできたカメラなのですが、時と共に劣化する消耗材もあります。

今回は高速シャッターの不具合でお預かりしました。

早速テスターにでチェックしてみますと、1/2000秒、1/1000秒はエラーで計測不可、1/500秒も下の写真のようにフレームの左右でかなり露光時間に差が出ています。
R0013530.jpg R0013532.jpg
(A:開きはじめの露光時間/C:閉じる前の露光時間)
シャッターの先幕が後幕より相対的に遅くなっています。
でも幕軸を弄って調整するのは最後の最後です、幕の速度を低下させた原因を解決するのが先です。
F-1はチタン膜シャッターですので、幕の硬化による幕速変化の可能性は除外するとして、考えられる原因は幕軸、管制部の油の劣化、油切れ、汚れなどでしょう。

シャッター管制部はこの下にあります。
R0013571.jpg

幕軸に給油する際には前板を抜きますが、左肩のこの辺りにギミックがあります。
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不用意に前板を引き抜くと、露出指標の金具をへし折ってしまい、泣くに泣けない事態になります。

良いカメラですので、整備はプロにお任せいただきたいものです。

今回はさくさくと通常のメンテナンスで作業が終わりました。
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シャッタースピードも正常値に戻っています。
F-1でよく見られるシャッターバウンド、Xシンクロタイミングの狂いもありません。

Nikon Fもそうですが、「壊れにくい」「メンテで元に戻る」それがプロ用カメラの条件ですね。

このカメラ、まだまだ使えますよ。

Canon F1(旧)
製造:キャノン
発売:1971年3月
形式:35mmフォーカルプレーンシャッター式一眼レフレックスカメラ
マウント:FDマウント
シャッター:4軸式金属幕横走行フォーカルプレーン
      1/2000~1秒、B, X
ファインダー:ペンタ着脱可能アイレベル式、倍率0.77倍、視野率97%
露出計:CdS素子使用、TTL開放追針合致中央部分測光
    測光連動範囲EV2.5~18(ISO 100:F1.4)
    フィルム感度使用域ISO 25~2000
発売時価格:117,000円(FD55mm F1.2付き)
      100,000円(FD50mm F1.4付き)
      92,800円(FD50mm F1.8付き)
      78,000円(ボディ)

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2012.11.27 / Top↑
今回はオリンパスのPEN-Fの整備をご紹介します。

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PEN-FはデジカメのPENシリーズが出てから修理件数が目に見えて増加したカメラです。
人気は相変わらずですが、そろそろ良い物は出尽くした感もあり、最近のオークションでは良品に当たる確率がかなり下がっている気がします。
時々これはと思うような最良品と出会うことがありますが、新品で買ったままお持ちになっていた物であったり、親類から譲り受けたなど素性のはっきりしたワンオーナー物であることが多いです。

今回お預かりしたカメラはどうでしょう。
R0013434.jpg
なかなか状態が良い物のようです。

ファインダーを覗くとカビが見えるほか、モルト劣化、シャッター速度狂い等、経年による症状はみられますが、どれも整備で改善する物ばかりです。

内部には一度も手を入れられてないようで、タイムカプセルを開ける気分で整備を開始します。

内外のモルトは寿命を迎えてボロボロです。
R0013463.jpg

今回はスローシャッターが粘っていましたので取り外して整備しました。
機械昆虫のようなスローガバナ。
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綺麗に清掃して最低限の注油を行います。


オリンパスのPEN-FとPEN-FTは見た目は似ていますが随所に違いが見られます。
その一つファインダーですが、PEN-FTはファインダー経路上にハーフミラーを置いて透過した光を露出計の光源としている事はよく知られています。
もう一つ、フォーカス時レンズからの光をレフレックスミラーで横に導き、フレネルレンズで拡大して焦点面に結像させるのですが、その面がPEN-Fはプリズムの片面を曇りガラス加工して結像させているのに対し、PEN-FTはその手前のフレネルレンズの裏側を微細加工してその面に結像させています。
DifferenceFandFT_01.jpg
(ロットにより違う物もあります)
コストの問題か、FTの暗いファインダー対策かはわかりません。

今回のPEN-Fのファインダー内に見えたカビは、プリズムの入光面に生えていました。

整備後、綺麗なカメラを更に綺麗にして完了です。
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このカメラまだまだ使えますよ。


OLYMPUS PEN-F

製造:オリンパス(1963年5月)
形式:35mmハーフサイズ一眼レフカメラ
シャッター:チタン幕ロータリーシャッター
シャッタースピード:B,1~1/500秒
レンズマウント:オリンパス PEN Fマウント
露出計:専用外付け露出計あり
発売時価格:24.800円(F1.8付)

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2012.09.07 / Top↑
私は前職がソフトウェア開発に関わる仕事だったので、道具としてWindowsパソコンを長いこと使っていましたが、今は工房も自宅もMacを使っています。

前々回のMac OSの更新(Leopard→Snow Leopard)は、機能はそのままにOS自体のスリム化とコードチューニングを中心としたもので、機材を長く使いたいユーザーにはとてもありがたいものでした。
OSの更新のたびに多機能化超重量化して最新のハードウェアを要求する某OSとだいぶ方向性が違うなと感じました。
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MacのOSはLinuxをベースとして・・・といった面倒な話はさておき、

そんなわけで、今まで我が家も工房のMacも安定して働いてくれまして、訳のわからないエラーで全体が止まってしまったり、青い画面が出て死んでしまうことは皆無でした。

ところが先日そのMac OSを最新の物(Moutain Lion)にしたあと、最新のiPhoto(写真整理(加工?)ソフト)を使うとフリーズしてしまう事が何回かありました。そのほか全般的に何となく動作が重くなってしまいました。

工房のMacは2009年前期のiMac20インチディスプレイの物で、メモリが2GBしか実装されていないので、恐らくメモリが足りないのかな〜と勝手に診断。 そのままでも動作保証範囲内のスペックなので、これをフリーズの理由にしてはいけないのですが、もう業界人でもないので、細かいことは考えずにメモリを一気に8GBのものと交換してみました。

4GB×2枚組=8GBがAmazonで4000円くらいです。昔の2枚組レコードより安い!
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Apple用じゃないけど規格が合っているので気にせず装着します。

まずは電源やケーブル類を外してiMacを画面を下にして伏せた状態に。
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おお、足の裏にメモリの交換の仕方が印刷されています。

蓋を取るとメモリが見えます。
空気穴から入った埃がボチボチと積もってますね。
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真ん中の黒いベロを引っ張るとメモリは抜けます。

取り外したメモリ
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今Appleと喧嘩中の隣国のメーカーのものでした。
このiMacはメモリが2枚しか入りませんので、今までの物はお蔵入りさせるしかありません。

こちらは差し替えるメモリ。
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しっかり挿し込んで、黒いベロを織り込んで蓋をすれば完了!
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どれどれ
ScreenShotMem8GB.jpg
ちゃんと8GBになってますね。

動作は・・・凄く快適です。

iPhotoも飛ばなくなりました、でもクリックを連打すると一時的にフリーズしたように見えることがあるので、ソフトに問題があるのかもしれません。・・・そのうち改善されるでしょう。
全般的にもたつく感じがなくなり、色々な場面での待ち時間が少なくなりました。

家のiMacも同年式の24インチディスプレイのメモリ4GBなので、そちらも来月あたりメモリを交換しようかとすっかり気を良くしているのでした。

ジョブスが亡くなって今後のMac OSの行方はどうなるのか、いらない機能がたくさん付いた超重量級OSになってしまうのか。今回の更新がその予兆だとしたら・・・そうならないことを願います。
使い方はユーザーの自由、OSはユーザーが選んだアプリを快適に動かすプラットフォームであるべきです。
次回は現OSのチューンナップ版が出てくれると良いな。

今回はカメラとは全く関係ないお話しでした。

次回はOLYMPUS PEN-Fの整備を予定しています。

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